第36回「ミカンと箪笥」(後)
職人仲間たちは高齢で引退したり、現役のまま亡くなったりした。また作るのが非常に難しく斜陽とあっては後継者も育たなかったのもあって、ねじれ箪笥はみるみる衰退していった。集落は特産品の復活を期して直売センターを設けたり地方…
ハイパーグラウンドに ようこそ
職人仲間たちは高齢で引退したり、現役のまま亡くなったりした。また作るのが非常に難しく斜陽とあっては後継者も育たなかったのもあって、ねじれ箪笥はみるみる衰退していった。集落は特産品の復活を期して直売センターを設けたり地方…
夕暮れ時。細くて埃っぽい、舗装もされていない緩やかな上り坂がだんだらと続く田舎道。冷たい風の吹く初冬の里山は遠くに見える山の向こうまで全部ミカン畑で、まあるい黄色や橙色の実を付けたミカンの木がズラーっと並んでいる。 …
ラブホテルのバスルームの派手で冷たいタイルに、一旦シャワーでお湯を流す。濡れた床がすぐに冷える。そこに裸で寝そべってカメラを構える。何もかも丸出しの僕の頭上には、何もかも丸出しの女の子がスタンバイしている。黒い茂みの奥…
本当の力を見せてやれお前の力を見せてやれ本当の声を聴かせてくれお前の声を聴かせてくれfavor por favorお前の声を声を声を力をfavor por favor 古ぼけたレコード盤から聞こえてくる知らないメキシコ…
ASTRONAUTSがひとり暗い部屋にひとり夢の中で広がり続ける暗い宇宙にひとり 地球に落ちてゆく記憶の欠片が身体中にぶつかって激しい音がする血潮の色があぶくにうつって地球に落ちてゆく 何処か自分の国へ帰ってゆく雄大な…
全身に虹色の花をまとったクジラが鈍色の海から顔を出す。困った顔したお日様が作ってくれたサンロードに、大きな影を残してクジラが再び潜ってく 記憶の海を深く深く、やり直しの効かないところまで 昨日よりも深く深く、やり直しが…
北山のtwitter 北山のLINE 北山の書いたおすすめ記事 「男ならビッグマウスを叩いてデカい男になれ!」と言われたので、マジのビッグマウスを叩いてやりました。 労働の疲れを癒すためにメディカルポットを作った記事。先…
虹色のベルが飛ぶ七色のベルが鳴るクレーンゲームの中は狭くて堅い空真夏の陽射しで灼けた舗装路杏仁豆腐味のソフトクリームが溶けて垂れた指べたつく甘さに汗が混じって陽炎が揺れるチャイナタウンストリート意味もなく声を上げ笑いなが…
2005年5月のある晴れた一日の始まり メキシコ。午前十時ちょっと前。 僕は日本人プロレスラー養成学校の寮にいた。建物は四階建てで一階が道場になっており二階はリビングとキッチン、それに校長の執務室。三階には寮生の部屋が…
単調な音奇怪な島不快な旅奇妙な国ピコピコの国へ この世の中がゲームに見える。ラブゲームやマネーゲームといった遊びや策略を巡らせる様をゲームという言葉で例えたのではなく、この世の中を生きる自分から見た社会が、仕組みと冷た…
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