第61回「躁鬱トマトの信号機」
瞼ひとつ閉じるだけで、目の前の見慣れた景色が消え去って無限の暗闇が広がることが、面白くて仕方ないけど恐ろしく…
ハイパーグラウンドに ようこそ
瞼ひとつ閉じるだけで、目の前の見慣れた景色が消え去って無限の暗闇が広がることが、面白くて仕方ないけど恐ろしく…
片言のニホンゴを話す君の、黒くつぶらな瞳。鼻筋の通った顔に少し不釣り合いな小さくてクリっとした相貌が余計に愛…
ごく薄い、ピンク色の衣装で全身を包んだよぼよぼの老婆が二人。膝よりも上のミニスカート、ノースリーブ、フリフリ…
神経の海に溺れているよ。一つ目クラゲとイカデビル、泳ぎ回る力もなく、浮かび上がる波もなく、沈む時はあっという…
おばあちゃんに会いに行く。秒読みが終わったらキーを回してギアを入れてアクセルを踏み込む。5、4、3、2、1、…
真夜中を切り裂いて走るヘッドライト。夢を忘れた夜、夢を失くした夜、空っぽの街角。夢、って、なんだっけ。僕の夢…
それは暑い日の真昼に飲んだマンサニーニャのあぶくのように、浮かんでは消える被害妄想と後悔の念。目を閉じれば次…
日当たりのいいリビングルーム。真新しいテーブルセットの向こうで風に揺れる白いカーテン。10歳ぐらいの男の子が…
晴れ渡る空。果てしない空。そこに響く歌、その時の風。雲が流れる、膝から肩へ、爪先から指先へ、仰向けに眠る僕の…
銀色の夏の夕暮れ。潮騒だけが繰り返す砂浜。崩れかけた崖と崖を縫うように伸びる舗装もされない坂道。長く伸びた蔦…
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