#不思議系小説 第137回「Diallage.」
不思議な木の実をぶら下げた、眠れぬ街の摩天楼。 星空も三日月も見上げることなく、首吊り坂の病院前バス停に定時到着。 赤いバスに乗って雲の上まで。タイヤもディーゼルも要らない、ただ座っていれば何処にでも行ける。 窓にうつ…
ハイパーグラウンドに ようこそ
不思議な木の実をぶら下げた、眠れぬ街の摩天楼。 星空も三日月も見上げることなく、首吊り坂の病院前バス停に定時到着。 赤いバスに乗って雲の上まで。タイヤもディーゼルも要らない、ただ座っていれば何処にでも行ける。 窓にうつ…
The Best Is Yet To Come ガパン! と、たわんだ音がして呆気なくロッカーが開くと、中からは「わあーーっ!」「さ、サンガネ! こんなところに居たのか」 鬼でも蛇でもなく、オタクが、わが友が出て来た。…
トテトテトテ、と一生懸命に走って来た幼い男の子。1歳半か2歳くらいだろうか、青空の下、緑の芝生で笑ってる。 キャキャキャキャ、フギーッ! キャーッ! 限りなく音に近い声をあげて、ゴキゲンな様子を歌うように伝えて来る。小…
The Best Is Yet To Come 團長がゼェゼェと息も絶え絶えに、しかし目玉だけは血走ったままコチラを睨んで、カタナを握り締めて震えている。「お前、そんな重たいだけの鈍いもの振り回してたら、そら疲れるよ。…
The Best Is Yet To Come 「The Best Is Yet To Come!!」「うぼげえぎゃ!!」 リーダーと思しき拡声器を持った白塗りクソ男が指揮棒を振り上げたが、それより一瞬早く、詠唱が店の中…
The Best Is Yet To Come 「逃げろー、逃げ、早く……!」「誰かー!!」「助けて、たすけ、嫌あああっ!」「おがあざああーーん!!」 空気を切り裂くような悲鳴と同時に、銃声や何かを叩き壊すような音が続け…
冷たく、あからさまな悪意のこもった空っ風が猛然と吹き付ける港の片隅で。 ひずんだギターの響きが脳裏を駆け巡る。思い出すだけ思い出して遊ぼう、汚れるだけ汚れた、この体ひとつで。 青く、淡い空が高く冷たくのしかかる。空虚、…
The Best Is Yet To Come 兄さんの手掛かりと足取りを掴んだ僕だったけど、中々マッドナゴヤに向かうことはしなかった。可愛かったんだ。あぶくちゃんが。 あまりも、あまりにも……。 彼女は毎日、違った…
Light My Fire それからしばらくの間、オタロードの裏通りにある木賃宿に潜り込んだ僕は友人となったサンガネと共にニッポンバシオタロードを探索する日々を続けた。 遅い朝に目覚めたら念入りに身支度をし、先ずあぶ…
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