#不思議系小説 第128回「Purple Sha Side」
あっ。全部わかった。と、彼岸の砂浜で君が言う。 紫の空、紫の海、紫の砂、紫の波、紫の視界、紫の世界、紫の奇祭、生けとし生きること。 マルを付けてく、生けとし生きること。マルを三角、四角に塗ってく。はみ出したところが自分…
ハイパーグラウンドに ようこそ
あっ。全部わかった。と、彼岸の砂浜で君が言う。 紫の空、紫の海、紫の砂、紫の波、紫の視界、紫の世界、紫の奇祭、生けとし生きること。 マルを付けてく、生けとし生きること。マルを三角、四角に塗ってく。はみ出したところが自分…
冬の黄色い陽射しを浴びた君が振り返る。 丸い、フチの無い眼鏡のレンズが銀色に光る。僕より少し背が低くて、声が高くて、素肌の白い君が笑った。振り返る、微笑む、愛する君を、抱きしめる、ことは出来ないまま、さよならをする。 …
Light My Fire 「もうっ! そんなにションボリしないでよ! 死んじゃったのなんかしょーがないでしょ! それにこんなクズたちが何匹くたばったって誰も文句無いわよ! でも、あたしのお店の前を汚すのはやめて頂戴! …
Raining Blood ありとあらゆるクズ共の色んな所から噴き出た返り血を浴びて、全身真っ赤になった僕の姿を見て、残りのクズ共が逃げ出すタイミングをはかって、後ずさって震えて。 コイツらが今、死にたいか死にたくない…
見慣れた町見慣れた道の、見慣れた曇天、見慣れた陸橋に雲の切れ目から金色の光が差して。降り積もる毎日の些細なことに乱反射してキラキラ光る。 辛いことは些細であるほど心に残るし、忘れることも出来ない。 追いかけて追いかけて…
Raining Blood 「この僕ひとり片付けるために、よくもこんなに暇な連中かき集めたね。ありがとうよ。一人も生きて帰さねえ」 僕は吸い込んだ気体が体の隅々に行き渡るような深い深い呼吸をして、全身の呼気を残らず…
干潟のあぶく 自転車の部品や割れたプラ板、蛍光灯に電球がコイツの体をズタズタにしてくれないと、僕の気が収まらないじゃないか。どうしてくれる。こうしてあげよう。 僕はそのまま仰向けに倒れ込んだチビに向かって両足を揃えて飛…
干潟のあぶく 憧れのヒロイン、あぶくちゃんの勤めるオールドレコード・カフェ Cafe de 鬼 は、ニッポンバシオタロードにそびえる雑居ビルの3階にあった。ここまで道案内をしてくれたのは、僕が僕の傍らを偶然通りかかっ…
干潟のあぶく 黒髪ショートボブのクラシックなワンピースメイド服に身を包んだあぶくちゃん、と名乗る女の子がくるくる回ってケラケラ笑っている。 うだるような暑さの往来に無数のメイドさんがたむろしている中に、彼女が紛れている…
干潟のあぶく ニッポンバシオタロード。 狂乱の大勝利都市・トライアンフオーサカの持つ西の経済本拠地、物流大本営、革新的育脳教育ネットワークとしての顔の、そのまたウラの顔とも言える、雑多な文化が繁殖する混沌地域。昔ながら…
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