14歳の僕はRADWIMPSが死ぬほど嫌いだったのに。

皆さんは、RADWIMPSが好きですか？

RADWINPSと言えば、今更ここでWikipediaを引用したり、曲を載せたりする必要もないくらい世の中の皆が当然のごとく知っている超人気バンドですが、

僕は14歳の頃、このバンドが死ぬ程嫌いでした。

今も大人気のRADWIMPSですが、僕が中学生の頃は『第一次RADWIMPSブーム』でした。

クラスの女の子は全員RADWIMPSを聞いていましたし、Hey! Say! JUMPを妄信していました。

なので女の子たちは、やれ「いいんですか超いいよね～～」だの「ふたりごと染みる～～～～～」だの「山田涼介カッコE～～～～～～」等と毎日のように言っていました。

その時の僕はがどんな人間だったかと言うと、

つつじの蜜を吸ったり、地面の草を引っこ抜いて根を食べたりすることが得意な団地育ちのサイヤ人として生を受け「この子、若干頭がおかしいかも？」と親に思われ、謎のカウンセリングに通わさせた小学生期を抜け、

中学生になると、離婚した両親の両方から「私はこの子と暮らしていけないアンタが預かって」「俺はコイツと暮らすのはもう限界だ」と両親をたらい回しにされた結果、死ぬ程性格が捻くれた、シンプルに嫌な奴になっていました。

眼鏡でダサい天然パーマのしょうもないクソ中学生を思い浮かべて下さい。そして脳内のソイツに「あー死にてぇ」と言わせて下さい。それが僕です。ゲボ程しょうもないですね。(ただ、自分の事は銀河系一面白いと思っていました。意味不明です)

その時に流行っていたRADWIMPSの曲の一部がコチラです。

この曲を聞いて当時の僕は、

ゲボ吐くほど気持ちわりぃ曲だな。この曲もこの曲を囃し立ててる女達も総じてクッソクソキショい。女殺す。

と、思いました。

拗らせすぎです。

では、何故当時の僕はそんなことを思ったのでしょうか？

RADWIMPSの歌詞を分析してみましょう。

そうなのです。

この頃のRADWIMPS歌詞、めちゃくちゃクサいんですよ。

基本的な歌詞の構成として

• 「君」と「僕」が存在する
• 僕が君を愛したり、君が僕を愛したりする。
• 君は神様、とか僕が総理大臣とか、一生とか、奇跡とか、規模のデカい事を言う。
• 君はマジですごい、マジ愛しい。マジ超越的。最高。
• 君が神じゃなくても、一生僕は君を愛する的な感じ。

概ねこんな感じです。

そりゃこんな愛だの恋だの歯の浮くようなセリフや非現実的な綺麗事を、腐り散らかした男子中学生に聞かせたら拒否反応も出ますよね。

だからこそ、この歌詞が女子中高生にスマッシュヒットしたわけです。

僕はここから数年もの間、高校生になってもRADWIMPSの事が嫌いだったのですが、そんな僕を変えた作品があります。それこそが

CLANNADのMADです

CLANNADとは

『CLANNAD』は、keyが制作した恋愛アドベンチャーゲーム。 
2004年4月28日にWindows版が発売された。この手のゲームとしては珍しく全年齢対象である。前2作が18禁の所謂エロゲー（ただしエロ要素は薄め）だったこともあり、また後に18禁のスピンオフ作品もでており、誤解されることも多いが、この作品自体はエロゲーではない。 
ピクシブ百科事典より引用

MADとは

MADとは、動画や音声を編集、改編し新たな意味を付加された動画や音声のことを指す。つまり、二次創作物である。
本来MADとは、『気が狂った』などを意味する単語であり、MADと名の付く作品は内容に癖がある物が多い。
ニコニコ大百科より引用

何を言っているんだと思うかもしれませんが、その頃の北山はCLANNADに大ハマりし、ゲーム版をクリアした虚無感で数日学校を休む程でした。

その時に出会ったのが、智代アフターにRADWIMPSの曲を当てたMADだったのです。

智代アフターとは

これ以上深くギャルゲーの解説を続けるとシンプルに気持ち悪くなるので、「そういうものがあります」くらいに思っていてください。
北山の心の声より引用

当該動画は削除されていたので、類似動画を張っておきます。

その動画を見て、僕は思いました。

そうだ、朋也は俺だ…俺なんだ…
どうして智代はこんだロクでもない俺を愛してくれるんだ…

俺が智代に抱く、この感情が、愛……？

一度も彼女が出来た事の無いゴチゴチの童貞が、急に愛を理解したのです。
それによって、RADWIMPSへの嫌悪感も少しずつ溶けていきました。

(今思うと童貞がギャルゲーのMADを見ただけです)

その後成長し、大学生になり、彼女や友達ができ、北山の考え方にも変化が表れ始めました。

あれだけ嫌いだった綺麗事が、好きになっているのです。

逆に、「汚い世界だからこそ俺は綺麗事を言い続けたい」「僕と君の間くらいはさ、綺麗なモノだけで満たそうよ」などとしゃらくさい事を言い始めたのです。

脱童貞したイキりでしょうか？愛至上主義者の爆誕です。

そして少しまた時が流れ、君の名は。が空前の大ヒット。

世の女子高生が再び野田洋次郎の虜になります。

野田洋次郎とは

RADWIMPSのボーカル兼作詞作曲。
野田洋次郎はイケメンだが、「見た目が野田洋次郎に似てる」という言葉はほぼ悪口である。
間違っても「いつの時期の野田洋次郎？」などと聞き返してはいけない。傷が広がる。
北山の偏見より引用

僕も映画館でこの曲を聞いて思いました。

天才か

僕はこの曲の『愛し方さえも、君の匂いがした』というフレーズがここ数年聞いた歌の歌詞の中で一番好きです。

結局人間って、誰かに愛して貰った時に愛され方を学習して、他の人を愛してあげると思うんですよ。

だから僕が今後の人生で誰かを愛するとき、それは今まで僕を愛してくれた人の模倣になってしまうんです。

僕はそのこと自体は分かっていたつもりだったのですが、ですがこの曲を聞いてめちゃくちゃ衝撃を受けました。

確かに、僕の愛し方からさえも、君の匂いがして、おそらくその匂いは僕が死ぬまでこびり付いて消えることは無いと思ったからです

世界中のみんなが持っている感情や現象に、クサいけど素敵な表現で定義付けをする、この表現力が野田洋次郎の持つ魅力なのでは無いのでしょうか。

という事で着地がかなりあやふやな感じにはなりましたが、RADWIMPを聞かず嫌いしている方も、最近聞いてない方も、全然興味が無かった人も、この文章を読んで「今日は一曲聞いてみるかな」思って頂けたなら幸いでございます。

以上、ハイパーグラウンド編集長北山でした。

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北山

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