異なるカレーを混ぜ合わせると美味しくなるのは本当ですか?

カレーを混ぜ合わせると美味しくなるのは本当か!?

こんにちは、ペニー長谷川です。

私は28歳のサラリーマンです。
これと言って特技もない男ですが、一つだけ特徴がありまして、それは

ということです。
先週数えたら週6でカレーを食べていました。
家の近くのインドカレー屋には店員のネパール人のシフトより多くお店に通っています。

ある日、いつものようにカレーを食べている時に、ふと思いました。

…と。

実際に、家庭で作るカレーにも、ルーを複数入れることによって使われるスパイスの量を増やし、味に深みを持たせるテクニックは存在します。

また、カレーの味に奥行きを持たせる隠し味もコーヒーやチョコなど店や家庭によって多岐に渡ります。

隠し味を入れる理由は
コクが出るやマイルドになり旨味が増えるなど
味の足し算によってカレーに深みが出て美味しくなるからだとされています。

ここで一つ閃きました。

味の足し算でカレーが美味しくなるならば

………ということで実際に試してみました。

【複数のカレーを混ぜ合わせてみる】

さあ、そんなわけで、複数の混ぜ合わせカレーを作るべく、「地カレー屋」さんで大量のレトルトカレーを注文してみました。

到着したのは、大きな段ボールにみっしりと入ったレトルトカレー

これをテーブルに広げると………

…成人男性と同じくらいのサイズ感になりました。

さらにこのカレー達には秘密がありまして……….
47都道府を代表する47種類のご当地カレー達です。

47種類のご当地カレー達です。

私の理論を証明するために、これらを47種類を混ぜ合わせ、味の深みの究極系。
「深淵のカレー」を作っていきます。

これらの個性あふれるカレーがどんな作用を及ぼすのか…..楽しみで仕方ありません。

※激マズになってしまった場合を考え、30gづつ計量し、残りは冷凍しました。

レトルトパックを開封しスプーンで30gを計量し、鍋に入れる作業を47回繰り返します。

ちなみに、今から53年前の1968年2月12日に日本で初のレトルトカレーが販売されます。

最初に発売されたレトルトカレーは

「ボンカレー」でした。

名前の由来はフランス語で「良い、おいしい」という意味の単語、『ボン』を組み合わせてボンカレーとなったのです

47種類を入れ終わった段階ではレトルトカレー初代様の「ボン(良い・おいしい)」の要素は感じられませんが、非凡な雰囲気はビンビンです。

不安を胸にお鍋を火にかけ、よく混ぜれば……….

完成 深淵のカレー

途方もない数のスパイスと、47道府県の名産品を隠し味にした究極のカレーなのですが、意外にも一見すると普通のカレーっぽいです。

気になる味はどうなんでしょうか。

私の考えが正しければ、47倍の香辛料と隠し味によってめちゃめちゃ美味しくなっているはずです。

………んっ!?

……………あ、旨…

美味しいです。めちゃくちゃ美味しいのですが、
ただ、他のカレーと比較して、何がどう美味しいのかを形容するのが相当難しいです。

正直、口に入れた瞬間に
「うまーーーーい!!!」みたいなの期待していたのですが、全然そんな感じは無く

(まぁ普通のカレーだな…)というのが
口に入れた瞬間の印象です。

ですが、ゆっくり余韻が追いかけてくるというか
一口では美味しさの情報が完結しない旨さ
があります。

そして不思議と
各カレーの個性は消えました

あれだけ個性豊かだったご当地食材は全く感じられません。

『大間まぐろカレー』のまぐろ味も、
『とちおとめの果汁たっぷり いちごカレー』の
 いちご風味も感じられません。

幾重にも重なったカレー味とでも言いましょうか
カレーの味でしか無いのですが、
しかしそこには確かな圧と存在感を感じます。

クラシックホールで、何十という楽器から同時に同じ音を聞かされているような。
同じだけど、全く違う。というカレーです。

これこそが、深みなのでしょうか…?

そもそも「美味しさ」とは?

美味しい、美味しくない。

この簡単な単語は幼稚園児でも知っていますし、 その判別は小学生でもつきます。

しかし、

「美味しさとは?」という問いに答えられる大人は多くないように思います。

小学4年生の時の担任だった松尾先生の言葉が脳裏に甦ります。

引く!!松尾先生!オレ、辞書引くよ!!
広辞苑よ!!教えてくれ!ズバリ、
「美味しさ」とは何なんだ!?

び‐み【美味】
うまい味。また、その食物。

「広辞苑 無料検索」より

………そっけねぇ~。

まさかの塩対応だったので、もっとググります。

……….あった!!これは!?

「美味しいという感覚は、味覚、聴覚、視覚、触覚、嗅覚で構成されるが、特に重要な役割を果たすのが嗅覚」と話す。

日経ビジネス .[カレーはなぜ「おいしい」? ニチレイが独自開発の機械で研究] より

 食品が噛み砕かれて唾液と混ざり、口の中で揮発して喉から鼻に抜けていく空気こそが「おいしさ」に直結しているからだ。

日経ビジネス .[カレーはなぜ「おいしい」? ニチレイが独自開発の機械で研究] より

どうやら、美味しいという感覚には
香りが大きな要素であるようです。

今回のカレーでは47種類を混ぜることによって、

と、考えられます。

また、味の深みについても調べてみたところ

もっともらしい定義のひとつが、「味の総和である」というもの。「甘味・苦味・酸味・塩味・旨味」という五味のバランスがとれていることが「コク」だというものです。この考え方からすると、「複雑さ」「奥行き」「深み」というのも、なるほどしっくりくるように思えます。

深くて余韻があって……「コク」ってそもそもどんな味なの?

バカみたいな話ですが

色んな味が入っていると
『コク』が出て深い味になる

という事みたいです。

特徴が無くなったのも、
全ての味のパラメーターがバランス良く伸びたので
特徴が無くなった、
という事かもしれません。

結果

異なるカレーを混ぜ合わせると美味しくなるのは、本当でした。

原理としては、スパイスの量が増えることでの
風味の増加と、具材が増えた事により
味の総和が増え、コクが増加したことによって
美味しくなったようです。

皆さんもご家庭でカレーを作るときには異なるルーを混ぜて作ってみてください。

それでは、皆さん、さようn………..。

………いや、

これ、別の食べ物でもできるんじゃない!?

本当に『色んな味が入っているとコクが出て深い味になる』ならば、カレー以外の食べ物でも美味しくなるのでは?
この、色んなものが入っていると美味しくなるというのは、まるで

と完全に同じ理屈です。

なので私はこの料理を

と名付け、このキメラ料理の実力を確かめるべく
実際にプロのシェフの料理と比べてみたいと思います。

『キメラ料理VSシェフ料理 どっちがうまい料理を作るんだい?対決』

ということで、プロのシェフをお呼びしました。

フランスでもシェフとして活動し、現在はフリーランスとして都内を中心に活動している……….
ガチでプロのシェフです。

※企画内容を説明し、快諾いただきました。三角シェフ来てくれてありがとう。

本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

えっ!?

いや~、今日は暑いですね。

いや…….あの、その恰好は???

複数の料理を混ぜてコクを出す料理を『キメラ料理』と勝手に命名いたしまして、

キメラ料理を作るなら、外見もキメラっぽい方が良いと思って巨腕と三顔(さんがん)の『キメラシェフ』になってみました。

……????

…………えっ!?伝わらない?

繊細な仕事の三角シェフには、キメラシェフの面白さは伝わりませんでした。残念です。

気を取り直して審査員をお呼びしましょう。

自作自食では、客観的な判断ができないので異なるジャンルの厳正な審査員を3名お呼びしました。

デスクワーク代表。本当に公務員のため顔出しNGだが、公務員ならではの公平なジャッジが期待できる。

ボディワーク代表。本物のセクシー男優。男優の顔が映ると萎えてしまう視聴者様に配慮して全編モザイク処理でのジャッジ。

全人類の女性代表。全編画像処理。女性ならではの味覚ジャッジを期待。

さあ、それぞれジャンルが違う3名の審査員が集結しました。この勝負いったいどうなるのでしょうか?

……….私だけ代表する範囲が広すぎない?ねぇ?

                                                                                                   

ちなみに今回のルールは、このような感じです。

フルコースの料理を交互に味わうことで、特筆した一品ではなく、トータルの美味しさでシェフに挑みます。

はたして、私が用意したキメラ料理はプロのシェフに勝てるのでしょうか!?

ちなみに審査員のグルメレベルは庶民と同等、
もしくはそれより低いくらいです。
焼肉のたれで炒めた物はだいたい美味しいと感じるグルメレベルです。

それでは早速参りましょう!!
キメラ料理VSシェフ料理

フルコース対決、スタートです!

シェフの料理:1品目 本物のラタトゥイユ

まずは、プロのシェフの一品目です。

これはフランスの郷土料理です。ナス、トマト、ズッキーニ、パプリカを一つ一つ焦げ目が付くくらいまで焼いて、最後にトマトを煮詰めることで香ばしさが旨味に変わります。暖かくても冷たくてもおいしいですが、今日は外も暖かいので冷たく仕上げました。味付けは胡椒だけです。

審査員が両手を合わせ、
ついに戦いの火ぶたが切って落とされました。

実食です。

いきなりなんですが、僕は野菜本来の味が青臭くて嫌いなんです。味付けが塩コショウだけで、しかも冷めてるって聞いて不安だったけど、これは美味しいですね。

うわ~。優しい味~。

めちゃくちゃうまい。トマトの酸味は無くて、むしろ甘い。イメージはミートソースみたいな。横のバジルソース?を付けて食べると香りが鼻に抜けて直ぐにまた食べたくなります。でも、郷土料理でフランスのオカンが作りそうな胃に優しい味っていうのもわかります。

なんで裸のやつが一番コメント上手いんだよ

日本のレシピだと、ラタトゥイユにはコンソメを入れるイメージがありますが動物性のものが入るのは間違いです。本物には野菜しか入れてはいけません。

そうなんだ~

普通に関心してしまいましたが、
シェフの料理が一品目からかなり好評の様子。

審査員たちも普段しない食レポを頑張ってくれています。

続いて、対するはキメラ料理の一品目。

キメラの料理:1品目  本物の牛皿

キメラ料理の一品目です。

一見すると普通の牛皿のようですが………

こちらは、すき家吉野家松屋の牛丼の肉部分を混ぜたものです。

2022年2月時点で、すき家松屋吉野家、の合計店舗数は5,312店舗。3社の売上合計は「牛丼関連商品」だけ3950億4000万円。この札束を積んだとしたら高さ3.9キロになり、東京タワーを11個積んでもまだ、200メートルくらい届きませんハァハァ。

いきなり早口で数字の羅列を唱え始めたけどどうしたの?

僕が言いたいのは、これだけ売れている牛丼に「間違い」は無いということ。そして、 それぞれの牛丼一皿には膨大な企業努力が込められていて、この大手3社の融合料理は………そう、青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)だということです。

攻撃力4500の牛皿ってこと?

全国で愛される牛丼のキメラ料理の味とは………

実食です。

……..お!この厚切りのたまねぎは松屋かな?

そうです。玉ねぎが一番大きいのが松屋です。3社を食べ比べて分かったのですが、吉野家は色が濃い割に一番薄味で、一番脂が多い肉を使ってます。松屋は一番味が濃く一番甘く、一番肉が厚切りでした。すき家はしょうがの風味をとにかく利かせていて、味の濃さは松屋と吉野家の中間くらいでした。食べ比べると3社と味が全く違うので驚きましたね。

私、松屋が大好きで、高校のころずっと通ってた。この牛皿は疲れた時に食べたい感じ。

うん、美味しい。いつ食べてもガッツとか元気をもらえそうな最高の牛皿。

さて、注目の一品目のジャッジメントタイム!!!

肉VS野菜となった初戦ですがどっちが勝つのでしょうか!?

結果は………

一品目はシェフの勝利だ!!

審査員が3名ともシェフに一票を入れました!!

その理由を審査員に聞いてみましょう。

僕、正直言って、ラタトゥウ?牛皿の勝ちでしょ?と思ったが、シェフのラタトゥイユは今まで食べた野菜の中で一番美味しかった。

さっきのラタトゥイユがオカンの味なら、牛皿はオトンの味。美味いけど、想像の上を超えていきにくい。子どもだったら牛皿を選んでいたが、ラタトゥイユの方が奥深い味だった。

はい、牛皿もモチロン美味しかったのですが、どの肉がどの店の牛肉か、食べてもわかりませんでした。あと、お米が無いことで攻撃力がダウンしていました。牛皿はお米と合わさってこそのアルティメット・ドラゴンだと思いました。

だってフルコースだから前菜で丼ぶりが出てくるのは違うと思って………!

敗因は牛皿というチョイスだったのか!?
審査員の胃袋を信じて丼ぶりで出していたら結果は変わっていたのかもしれません。

それにしても、野菜嫌いの公務員に
人生で食べた野菜で一番美味い」と言わせるほどの料理。

シェフの腕は本物です。

期待と不安を胸に2品目の対決に進みましょう。

シェフの料理:2品目 フォアグラとヌガー 苺

プロのシェフの二品目の料理です。

この料理は2層になってます。茶色の方がフォアグラのテリーヌですね、白い方が「ヌガー」と言って、南フランスのお菓子で、メレンゲを入れてマシュマロのように仕立ててます。ソースには苺を使い少し甘酸っぱいので、フォアグラと一緒に食べてください。みんな大好きあまじょっぱいを一皿で食べられる料理です。

その見た目からは味の想像が1ミリもつきません。
お皿が運ばれてきた段階で審査員席が
ざわつき始めました。

僕、フォアグラ食べたことない。初めてのフォアグラがこんなイチゴにまみれた状態で大丈夫かな?

私も初めてのフォアグラ様です。

おれもフォアグラ初めてだよ。撮影でウ〇コは食ったことあるけど。フォアグラは初めてだよ。

フォアグラとウ〇コを同列で比べるな…….というかウ〇コを食べるな

 

男優という仕事のツライ部分が明らかになったところで実食です。

……..フォアグラとイチゴとヌガーの相性とは?

フォアグラ単体でまずは食べてみよう。うん、フォアグラ初めて食べたけどウマい気がする……..でも難しい味。

一皿の中にしょっぱさとか甘さとかちゃんと入ってて、ソースもベリー系なのに、ケンカしないで調和がとれてて美味い。ヌガー単品で食べてもうまいし、マシュマロっぽい中にもナッツが入ってて食感も楽しい。

これが、フォアグラの味??うん、噛めば噛むほど、フォアグラの味がして、大人な味です。フォアグラってちょっと甘いんですね?

フォアグラは「ソーテルヌ」というフランスの甘いワインに漬けてます。わざとカビをブドウに付けて作るワインなのですが、カビによってブドウの水分が飛ぶので、ブドウの甘味が凝縮して、甘い香りのワインができるんですよ。あとは下処理としてフォアグラの臭みをしっかりと抜いてます。

かなりテクニカルな料理でしたが審査員たちの評価はどうなのでしょうか。

続いては、キメラ料理の2品目です。

キメラの料理:2品目  牛の全て~焼肉のたれ味~

キメラ料理の2品目です。
食欲をそそる匂いと共にガッツリとした肉が姿を現しました。

こちらは、「好きな焼肉ランキング」上位5種を混ぜて焼いたものです。構成はタン、カルビ、ロース、バラ、ハラミ を同量混ぜ合わせています。味付けはみんな大好き焼肉のたれです。

うわ….!スッゴイ良い匂いがする。

さっきはフォアグラだ、ワインの香りだ言ってましたが、文化を知らない原始人に出しても同じ反応をしますか?フォアグラというネームバリューに踊らされてカッコつけてるだけなんじゃないんですか?対してこの「牛の全て」は、人類の脳みそに突き刺さる根源的な美味しさを追求しました。

こだわりポイントとして、お肉は全て国産、肉はミンチにはせず、すりこぎで、すってます。 あらびきを超えた超あらびき肉です。肉だけで8000円くらいしてます。

肉を全面に押し出したパワー系の料理だが審査員の反応は………..

うまい。いや~、めっちゃ好きです。

美味しい!本当においしい。

おお、すごい!!旨!うまぁ。肉が乗ってるスキレットも熱くしてる?

Exactly…..!(そのとおりでございます)

審査員も あっという間に完食です。

さて、肉の力!とフォアグラの技
パワー対テクニックの戦いとなった
3品目のジャッジメントタイム!!!

審査員の反応も良いキメラ料理、
ここで同点に持ち越したいところだが………

注目の結果は………

ここで審査員のジャッジが割れました!!

残り一人、男優のジャッジで2品目の結果が決まります!

2品目もシェフの勝利だ~~~~~!!!

初のキメラ票が入りましたが、
1対2でシェフに1ポイントです!

これでシェフ料理は合計2ポイント
キメラ料理は引き離された形となりました。

ジャッジの理由を審査員に聞いてみましょう。

僕も大人になった。以前の僕なら肉にしてた。すごい悩んだ。僕も大人になってちゃんとフォアグラの……そして肉と果物の調和を楽しめるようになった。

私は肉の方が好き。肉のガツンとした味がおいしかったです。すいません。嘘がつけなくて。

すごい悩んだが、フォアグラの方が美味い。「牛の全て」は、あらびきの歯ごたえもあって「肉ッ!!」という美味しさはあるが、終始同じ味。シェフのフォアグラは食べるたびに味の変化調和を楽しめる。

おい!そこのスーツとほぼ全裸男!!カッコつけてないか??「フォアグラ」というブランドパワーに流されてるんじゃないのか??あーーー!!

別に流されてるとかじゃなくてマジで美味かったんだよ。

あと、すいません。寒いので冷房消してもらっていいですか?

ごめん~~!!裸だもんね~~!

男優が寒さを訴えたところで次の料理に進みます。

波乱の2品目を追え、折り返しとなる3品目で
まさかの自体が……!?

The following two tabs change content below.
私は、ペニー長谷川と申します。 愛と友情さえあれば、あとは少し大きめのビームキャノンしか要りません。