
皆さん、ご機嫌麗しゅうございます。
長谷川獄卒です。
知ってました?
昨日(2019年10月26日18:00)、から新しい週刊連載マンガが始まりました。
その名も「まったりゆったり小さな物語」です。
【作者:紋(もん)】
おとぎ話や、昔話をベースにしたオリジナルマンガを連載していただきます。
これでハイパーグラウンドも週刊連載が3本になりました。
イマイマキ:「可愛いちゃこちゃんが一番カワイイ」

ケンシロウ:「無職勇者」

いっちょやってみっかぁ
ドラゴンボールの悟空みたいな口調になってしまいましたが、
この辺で僕も「文才」を披露したいと思います。
(実は以前にマンガも制作しました。ちょっとアレだったので今回は小説に挑戦です)
ハイパーグラウンドには、優秀な小説書きである
ダイナマイトキッドさんもおります。
このあたりで、どっちが優れた文豪なのか、勝手にケンカを売っていきます。
まずは「ゆったりまったり小さな物語」をリスペクトして、「昔話」をベースとしたオリジナル小説書いてみました。
オリジナル小説「イッスンボウシ」
驚愕した。
ハゲてきている。
いままで見て見ぬふりをしてきた田中だったが、本日の頭皮のコンディションは、田中に「ハゲ」を自覚させるに十分な仕上がりだった。
田中は鏡の前に立っている。
年の瀬25歳から35歳の間だろうか。
あまりに早すぎる、干ばつの到来に田中は絶句していた。
絶句、そう、絶句である。
実際には
「うっそだろまじかぁ」と声にならない吐息のようなものを漏らしていたが、それを聞いている者はいない。
田中は、ある意味平均的な、ごく普通の男だった。
都心でも田舎でもないベットシティに生まれ、特別裕福でもないが、別段貧しいわけでもない家庭で育った。
小学生の頃は野球チームに入っていたが、別段良い成績を残すことなく、中学進学とともにやめた。
中学生になってからはまさに、何でもない日常をひたすら繰り返してきた男だった。
勉学の成績も平均的であるし、それなりに友達もいたが、それなりに遊んでいただけであった。
陰毛が生えた時期、12歳。
初めての精通、14歳。
初めての性交、20歳。
全くありふれた人生。
月並みな学力で平凡な高校に入学し、何か大きな常識に流されるように人並の大学に入学し、何事もなく卒業した。
一般企業に就職し、平平たる成績で月並みに生きてきた。
そんな男の日常に、とんでもないサプライズ。
ここにきて、平均から大きく外れた弩級の意外性。
若ハゲ。
ここは、田中が一人で暮らす、メゾン所沢。
6畳のワンルームには、ニトリで買い揃えられた、誰も嫌いにならないデザインの家具が並ぶ。
1年ほど前に彼女とは別れているので、田中はここで一人で暮らしている。
別れた理由は「なんとなく」。
なんとなく付き合った女性だったので、お互いの細かいすれ違いからなんとなく別れ話になり、なんとなく別れたのである。
なんとなく寂しい時期もあったが、季節が変わるころには、なんとなく彼女を思い出すこともなくなっていた。
そんな田中に、人生で初めて訪れた意外性。
若ハゲ。
田中は洗面台の鏡と手鏡を器用にに使いながら、自分の後頭部を覗いてみた。
ひどい。
ルイスキャロルの「不思議の国のアリス」では、アリスが白兎に導かれるように、穴を覗き込み、転落して、不思議の国に迷い込んだが、田中が覗き込んだ鏡の世界も大きな不思議でいっぱいだった。
後頭部は、焼け野原のようになり、自分の白い頭皮が不気味に思えた。
毛根が根をあげ、これはもう誰が見ても剥げていた。
田中は頭皮から逃避するがごとく、スマートフォンで意味のないネットサーフィンを20秒続けた。
彼の心は壊れる寸前だった。
とてもこれ以上、自分の頭皮を覗き込む気持ちにはなれなかった。
5日後、田中は着替えていた。
どこかに出かけるようだ。
後頭部にある一寸以上の青白い頭皮を隠すために帽子を被っていた。
出来ることなら、神にさえ見せたくない部分を布で包むことで、一握りの安心感を得ようとしていたのだ。
彼は、誰もいないアパートに「行ってきます」と一言つぶやいて
AGAのクリニックに歩を進めた。

どうですか?
最悪でした?
最悪ではなかったですよね?
書いているうちに、「昔話」じゃなくなりましたけど、ご愛嬌ですね。
画像もね。
「嫌々ながら穴を掘らされる男性」のフリー素材しかなくてね。
ご愛嬌ですね。
今のは肩慣らしでした。
もう一本は 本気です。


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