売れなかった元バンドマンが初めてガールズバーに行った時の話

渋谷ハチ公前

どうも意気揚々と石川県から上京したはいいものの、夢を諦めたIT系ヒラ下僕社員の僕です。まだ僕がバンドマンとして頑張っていた頃のお話をただつらづらと書いてみました。

クソ暇すぎてアスファルトに時々落ちてる干からびたミミズみたいになりそうな時に是非、暇つぶしてみてください。そういえば最近干からびたミミズ見なくなりましたよね。どこに行ってしまったのでしょうか・・・。

閑話休題ここから本編です。

 

 

 

当時まだピザデリバリーのバイトをやっていた頃の話。

久々に休みができたので何をして一日過ごそうかと考えていたのですが、

 

・案、其の一

ボーリングをする → 年齢による体の劣化を感じる → 体の疲れを取る為に座ってくつろげる場所を探す → 丁度いい場所に居酒屋が!→ 飲む

・案、其の二

感動系映画を観る → 泣くまいと頑張っていたが、ラストシーンで泣いてしまう → 余韻に浸る → もっと深く余韻を楽しみたい → 飲む

・案、其の三

カラオケに行く → 出来ないデスボイスを頑張る → 喉が終わる → 飲む

・案、其の四

ダーツバーに行く→こんな丁度いい所にお酒が!→ 飲む

・案、其の五

ご飯を食べる → 飲む

・案、其の六

飲む 

ということで何をしても「結果飲むことになる」ので最初から飲むことにした。発想がアル中な自分が怖い。そしてバンドのボーカルなのに体系は雪だるま。そりゃ売れないわけだ。

しかし、一人で飲むとアルコールの波に飲まれてツイッターで呟いてはいけないゴミ見たいな事をすぐ呟いてしまって危険なので、誰かと飲んで予防しなければならない。 なので恐らく暇しているであろう、当時僕が働いていた店の店長を呼び出す事にした。

 

 

俺「お疲れ様です。今日暇してますよね?飲みませんか?」

店「だるい。いかない。」

俺「今、知り合いの金持ちの女の子と飲んでて、店長の話したら会いたいって・・・。あと、もしかしたら奢ってくれるかもしれないっすよ?」

店「おけ。いく。どこ。」

なんて簡単な男なんだ。マリオの1-1ステージレベル。知り合いの金持ちの女の子なんかいない。いたら呼んでない。誰か紹介してくれ。

 

 

渋谷ハチ公前

 

 

待つこと10分。

ドンキに売ってそうなヤンキーが車のダッシュボードに敷くモフモフみたいなパジャマでハチ公前に店長は現れた。

なんで渋谷にそんな格好でこれるのか。めちゃくちゃ恥ずかしい。マジで知り合いだと思われたくない。 

あとで聞いた所「渋谷は俺の庭だから大丈夫」とのことだった。俺がぜんぜん大丈夫じゃない。マジで一人で飲んどけばよかった。

 

 

居酒屋

 

 

全部嘘だとカミングアウトしても文句というか、罵声を僕に浴びせつつ飲みに付き合ってくれる店長(身長163cm)はなんだかんだいい人なんだと思う。格好は黒いムックだけど。

行くだけで貴族になれる某鳥系居酒屋で夕方から酒を浴び、夜9時頃になり酔いも一周してそろそろお開きかなという頃になったので

 

俺「店長どうします?ラスト一杯行きます?」

店「んー…ガールズバー行きたい。」

俺「え?」

店「ガールズバー行きたい。」

俺「え?」

店「ガールズバー」

 

まさかの店長命令発動。店長はいつもであれば僕と飲むときは夜のお店に誘うことは無い。すごく珍しい。金持ちの女の子がいなかった事がそんなにショックだったのか・・・。

それに生まれてこのかたガールズバーなんて行った事の無い青いケツをした僕は、全く気がむかない。しかし、嘘と嘘の固まりで呼び出してしまった手前すごく断りづらい。

それに僕は正直な話、夜のお店に対して偏見を抱いていたというのもある。というのも・・・

 

 

お金を払って女の人に相手してもらうなんてお金がもったいない、、、

高いお金を払って相手しもらうのに僕より横幅のある人が来たら、、、

頑張っていろんな困難を乗り越えたのに、最終的にお会計ボッタクられたら、、、

払えないって断ったら怖い人たちが出てきて、内臓全部売り飛ばされるかもしれない、、、

しかし一度きりの人生だし、何事も経験してみなくては、、、

言い出したの店長だし奢ってもらえるかもしれない。というか酔わせて奢ってもらお、、、

 

 

という事で行ってみることにした。

初めての夜のお店だ。緊張する。

 

 

渋谷の街中

 

 

 

酒のおかげもあって意気揚々と夜の渋谷を闊歩する。

店長曰く、「めちゃくちゃいい店知っているからとりあえず俺について来い」とのことなのでとりあえず黒いムック(店員達は店長のことを裏ではホビット族スメアゴルと読んでいる)の後をついていく。恥ずかしい。

僕の中でのいい店の定義は可愛い女の子がめちゃくちゃ愛想よく相手をしてくれて、尚且つ安い事なのだが、30歳過ぎて「渋谷は俺の庭」とか恥ずかしい事をさらっと言えてしまう男なんて全く信用出来ない。フルーツ盛り25万円みたいな店に連れて行かれない事を祈る。

呼び込みをしているメイドさんを横目に暫く歩き、ついた場所は近くに交番のあるところだった。治安も良さそうで一安心。

店の前にいたキャッチの女の子と「値引きは俺に任せろ」とか言ってやがる店長様が「セット料金が~」だの「飲み放題の時間が~」だのよく分からない話をしているので、そこは自称その道のプロらしい店長にお任せして、慣れない僕はそわそわと夜の渋谷を見回していた。

 

 

・・・どこからかオラァとかゴラァみたいな昔の2チャンネルで飛び交っていた猫AAが喋っていたようなセリフが聞こえてくる。

・・・・道の反対側でアディダスのヤンキーとスーツのヤンキーとヒョウ柄のヤンキーの三つ巴の戦が始まった。

・・・・・ガッツリ流血してる。交番の前に立っている警官は何時ものことなのか微動だにせずに欠伸をしている。

・・・・・・段々と野次馬が増え、煽るヤツまで出てくる始末。

え?なにここ。日本じゃなかったっけ?世紀末なの?

 

 

店長はまだサービス云々の話してやがる。がめつ過ぎだろ。早く諦めろよ。

 

リアル大乱闘スマッシュブラザーズを眺めていると。店長から早く入るぞとのお声がかかる。何がプロなのかわからないが、予想通り「その道のプロ」は全く役に立たずに普通の料金での入店になった。一生名乗らないでほしい。

無事に入店できそうでとりあえず一安心。ただ、キャッチの女の子が今や絶滅危惧種のドがつくギャルだった事が凄く心配。

エレベーターで7Fまで上ると早速店のドアが見える。ここか。緊張してきた。童貞の頃を思い出しそうだ。ど、ど、どもらないように気をつけよう。

心を引き締め、いざ入店!!

 

 

 

 

出迎えてくれたのは、まつ毛がラクダの黒い肌に輝く金髪のギャル。見慣れなさ過ぎてアマゾン奥地に住む原住民族かと思った。

最悪だ。失敗した。スメアゴルなんかについていくんじゃなかった。後悔以外の感情が弾け飛んで宇宙の彼方に飛んで亡くなった。

そんなブラウン管テレビでしか見ることの出来ないようなギャルが開口一番、

 

ギャル「えー!!なんかデカい雪見大福来たかと思ったら人間じゃん!この椅子幅足りないかも~。ウケる。」

ウケねーよ。国が国だったら撃ち殺されてんぞ。

 

僕の中で一悶着あったがひとまずお尻を椅子に収め、オススメの飲み物を聞くと

 

ギ「ぶっとビールに決まってんじゃん!ウケる。」

ウケないし、決まってない。お前らの常識は外では非常識なんだからな。覚えとけよマジで。

 

因みにビールは一切入っていないらしい。だったらビールって名前を入れるな。白い粉入ってても驚かない名前だし、最近世間がそう言うの敏感だからやめたほうがいいと思う。とか色々心の中ではツッコミの嵐だったが、まず一息つきたいので

 

俺「じゃあそのぶっとビールを1つ。」

店内のギャル達「「「チョリザース!」」」

 

 

 

 

????????????????????????????????????何語????????????????????

 

 

 

 

それも北の国の軍隊か如く、店の中にいた原住民族達が息を揃えてチョリザース。やっぱりここはアマゾン奥地の辺境の村に違いない。見た目的にも槍持ってても違和感ないし。

頭の中がパニックで脳ミソ反転しそうだったので、見境なく店内のギャルをナンパし始めた店長に今の言葉の意味を聞くと、

  

店「ありがとうございますの事をギャルはチョリザースって言うじゃん。常識じゃね?」

 

あぁ。あなたもそっち側の人間なのね。なるほど。これからテメーはずっとスメアゴルだ。

 

 

ぶっとビールの後に何杯かぶっ飛ばない方の非常識ビールを飲み、ギャルにギャル語の極意を教わったり、ギャル検定なる試験を受けたり、この店の独自ルール「敬語禁止」を破ってテキーラショットを一気させられたり、今後の人生に一切役に立たなそうな時間を3時間ほど満喫してしまった。因みにお会計に関してはスメアゴルが理由なくテキーラを飲まされ、だいぶ酔っ払って思考能力が低下していたので「今日って奢ってくれるんすよね?チョリザース」って言ってみたら奢ってくれる事になりました。マジチョリザース。テンアゲ。

 

 

ガールズバー体験記を書こうと思っていたのに、記憶が曖昧で店の中での出来事を全然思い出せない。ごめんなさい。テキーラのせいです。

 

 

 

 

宴もたけなわ。

終電ももうすぐになったのでお会計を原住民族に尋ねてみると、

ギ「チョリザ~ス!これ伝票ね~!」

その額なんと

 

 

 

4万7000円

目ん玉飛び出して爆発四散するかと思った。

これは流石にマズい。いくらIQがミドリムシ並みに低下して「俺の生尻叩いてくれたら延長する!」とか異次元のバカさ、いやもう逆に天才かもしれないやり取りをしているスメアゴルでも、流石に正気に戻って折半させられるかもしれない・・・と思ったのだが、

 

 

 

店「やっっっっす!!!!!!」

さっすが店長一生ついていきます!!!!!!

 

 

駅

 

 

なんとか終電に駆け込み、座席に座って一息。

僕のガールズバー体験はこんな感じで終わった。僕の思っていたガールズバーとは、ある意味真逆の方向性だったけれどもとても楽しかった。是非ともみなさ行って見てはどうだろうか。「渋谷 ギャル ガールズバー」で検索すると一番上に出てくるのがそのお店だ。カップルで行っても楽しめるしそれこそ女性だけで行っても楽しめそうな場所だった。

あとは電車で寝過ごして相模大野という小田急線の果てまで行ってしまわなければ楽しい思い出で終われたのだが・・・。

最後までお読みいただきありがとうございました。

面白い呟きも何もしてないですが、本記事の中の人はコチラです。

これからペースは遅くなってしまうとは思うのですが、このサイトで細々と記事やwebラジオをやっていきたいと思っております河野太陽と申します。何卒よろしくお願いいたします。

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