第四.五回 STARGAZER

深夜12時
いつもの公園
夜景が見える二人だけの秘密の場所
雨は上がった

僕がいるから大丈夫だと
寒がりのくせに
君はいつも薄着だ

そんなに寒いなら
厚着してくりゃいいのに
寒いね
と言って笑って抱きついてくる

そうだね
二人なら寒くない

お互いを探し求めて
やっと
君に出会えた
深い悲しみの中にいた君を
やっと
見つけた

待たせてごめんな

昔から人は
「変わらないもの」
をずっと
探しているのかも知れない

手に入らないものを
手に入れようとして
必死だった
明日が来なければと願いながら
僕たちは二人で探し求めた
永遠の愛とか傷付かない方法とか

二人ならきっと
見つけられると思った

君と過ごした
楽しかった時間を
今でも思い出す

僕には
君を幸せにできないと
突きつけられた
無力感も

「好きなのに離れること」

あのときの痛みを
未だに僕は覚えてる

今も正しかったかどうか
なんて分からない

今でも一人答えを探し求めている

大人になるにつれて
どんどん臆病になっていく
もうあんなに
人を好きになることは
二度とないかも知れない

君がいなくても
平気なりたくて強くりたくて
気がつけば
愛とか希望とか
信じれなくなっていた

君がいなくても
僕はなんとかやっている
新しい環境にもやっと慣れた

ただ
今も思い出す

最後まで泣かなかった君のことを

最後まで
大丈夫だよ平気だよ
と言った

嘘が下手だった君のことを

「好きだから離れること」

あのときの痛みが
未だに僕を支えている

今でも
あの時の答えを
一人探し求めている

もう一度
君に会いたくて
僕はまたあの公園にいく
深夜12時
君は隣にいないけど
たしかに僕たちはここにいた
また二人で答えを探したい

あのときの
果たされるかどうか分からない
約束を胸に
僕は今日も生きる

君と別れて
もうすぐ
3回目の冬がくる

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雨傘

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